実験装置

保坂研究室で所有し、実験に使用している装置を一部紹介します。

      

♦走査トンネル顕微鏡(STM―Scanning Tunneling Microscope)

走査トンネル顕微鏡

STM(走査トンネル顕微鏡)は、量子力学的効果である”トンネル現象”を利用した顕微鏡です。 その分解能は1[Å]以下で、試料表面に並んだ原子1個1個を観察することができます。 原理としては、金属探針を試料に10Å程度まで近づけると、表面の電子雲(波動関数)のしみ出しが探針からと試料から重なって、ある確率で電子が行き来します。 この電流をトンネル電流といいます。探針試料間に電圧を印加すると、トンネル電流は電圧にしたがって流れるようになります。 この電流が一定になるようにサーボしながらスキャンすることによって表面構造を観察します。

♦原子間力顕微鏡(AFM―Atomic Force Microscope)

原子間力顕微鏡

原子間力顕微鏡は、カンチレバーと呼ばれる探針と試料との間に働く力(原子間力)を検出することで、試料の表面構造を観察する高分解能なプローブ顕微鏡です。
研究には現在、コンタクトモードAFMを使用しており、この方法は探針と試料との間に作用する“力“を検出しています。 1[Å]以下という高い分解能を持っています。

♦走査電子顕微鏡(SEM―Scanning Electron Microscope)

可視光線の代わりに波長の長い電子線を用いることで、解像度を飛躍的に向上させた顕微鏡が電子顕微鏡です。 光学顕微鏡では1000倍程度の倍率が限界ですが、電子顕微鏡では10万倍以上の倍率で観察することも可能です。
保坂研究室で使用しているのは、日立S-900、S-4000、S-2700で、電子線で試料上を走査し、試料から放出される2次電子をとらえて画像化するものです。

日立S-900日立S-4000