研究テーマ

保坂研究室では、おもにナノテクノロジーに関する研究を行っています。

  • 超高密度メモリデバイスの研究
  • これを支える計測技術の研究
  • 理論的研究
  •   

また、新たに次の環境テーマを取り上げました。

  • 次世代太陽電池
  • 振動発電
  •     
      

研究内容

   

1.相変化多値記録メモリの研究

Phase Change Memoryに関する研究を行います。 これはジュール加熱により、相変化材料を結晶相と非結晶相(アモルファス)の2つの結晶構造に制御し、それらの電気伝導率の違いを利用した書き換え可能なメモリデバイスです。 材料の電気(メモリ)特性およびプロセスについて研究します。

主な成果は次の通りです。
①結晶領域制御による多値記録
②階段パルスによるランダムアクセス方式の確立
③トップヒーター層による省電力化
④多層記録層による多値記録
⑤相変化チャンネルトランジスタの提案

量子メモリデバイスの研究

相変化多値記録メモリの研究

2.量子化コンダクタンスの研究

ナノメートルスケールの金属架橋における量子化現象の解明と、これを用いた量子伝導原子スイッチ(QCAS)の応用への可能性を研究しています。

  

3.近接場光を利用した光メモリ、ラマン分光の研究

新しいイルミネーション型近接場光顕微鏡の開発と、それを使ったラマン分光装置について研究を行っています。 これにより、微小部のひずみ分布を計測しようとしています。

4.電子線描画露光実験とシミュレーション

半導体素子の微細化に伴ない、微細加工技術の進歩が必要となっています。 将来的には、現在の光リソグラフィに代わり、電子線描画技術等が考えられています。
50nm以下のラインを形成するにはどうしたらよいのか?モンテカルロ法を用いた電子軌道計算と露光分布について研究します。

主な成果は次の通りです。
①超高密度ドット列形成の実証
最小ドットピッチ:18nm
最小ドット径:13nm
②超高密度インプリントの実証
最小ピットピッチ:25nm
最小ピット径:8nm
③EB描画によるドット列を用いた微小Siドット列の形成
Siドットピッチ:25nm
Siドット径:8nm

今後、ブロックコポリマーを用いた自己組織化法を用いた超高密度ドット列の形成に関する研究を進めていきます。
→走査電子顕微鏡(SEM)

5.プローブ顕微鏡によるナノメートル計測の研究

プローブ顕微鏡の新しい計測法の確立を目標として研究を行います。
これまで、Digital Probing(ステップイン)法という新しい手法を提案し、可能性を検証してきました。 これについて、プローブ形状の影響、ソフト材料の計測等を研究し、計測方法を確立します。

主な成果は次の通りです。
①AFM像からの探針形状の3次元計測
②傾斜AFM
③PN制御による高アスペクト試料の計測

 

6.走査トンネル顕微鏡(STM)による原子像観察

超高真空チャンバ内にて清浄化したSi(111)表面の原子配列を実空間で観察し、酸化・コンタミネーションの過程を研究しています。また、微小構造の形成なども研究しています。
→走査トンネル顕微鏡(STM)

 

7.原子間力顕微鏡によるナノメートル計測の研究

原子間力顕微鏡でのラインエッジラフネス(LER)等を研究しています。


→原子間力顕微鏡(AFM)

   

8.環境エネルギーテーマ

①3次元量子ドット太陽電池の研究
電子線描画技術を用い、ドット列の形成技術を応用して、本研究を進めています。
②振動発電の研究
本研究室では、リニアモーターの原理を応用して、振動発電機を研究しています。
   

9.その他の研究

①近接場光シミュレーション
近接場光メモリのための理論計算
電流通電加熱による温度上昇の理論計算
②抵抗加熱シミュレーション
上部ヒーター月相変化素子に電圧パルスを入れた際の素子、細部の温度上昇結果

   
 

10.バイオセンサ

抗原、抗体、DNAなど生体分子の検出を目指して、マイクロカンチレバ(片落ち梁)を用いた微小重量センサの研究を行っています。 これまでに、大気中での水分子吸着実験から、ピコグラム検出感度を確認できたので、今後は生体分子検出で要求される液中検出の研究を進めます。
(本テーマは曾根研究室に移しました)